そして、再び八木の部屋へ戻りテレビにメモリーカードセットし再生する。
また、2人の車内のドライブレコーダーの映像だった。
映像は、2人が仁美の両親の家に結婚の挨拶に伺った帰りの会話の様子だった。
さらに、映像内では仁美の両親がえらく純を気に入っていた事。
小さい頃から、純が仁美のことを守っていた様子があった。
八木に話を聞くと
仁美さんは昔から人と話すのが苦手で小さい頃からいじめられており
乱暴者だが、いじめが大嫌いな純がそんな仁美を見捨てておけず
小さい頃から守り続けていたとのことだった。
幼馴染との結婚を羨ましがる上代真莉亜だったが
『結婚』というワードに引っかかる。
しかし、それについて思い出す事はできなかった。
3人は、さっき手に入れた紋章のカードで次へ進むことにした。
この部屋でも紋章のカードと桃のお守りを手に入れた。
廊下に出ると、再び仮面の男が襲いかかってきた。
すかさず、男を桃のお守りで怯ませる。
さらに、襲いかかる男を銀城が抑えつけ馬乗りになり
奪い取った鉈の柄で何度も男を殴る。
ふとその銀城の殴る姿は、自分が何度もナイフで刺されていた
男の姿と重なって見えた。
仮面の男が動かなくなったことを銀城が確認すると
上代真莉亜の携帯電話に非通知の着信が来た。
電話の相手は千鶴だった。
そして続けて千鶴は銀城瑛翔が上代真莉亜を●したこと。
さらに、銀城瑛翔は連続殺人犯で上代以外にも多くの命を奪っていたことを話す。
その証拠に、銀城が上代を殺害した際の写真を見せる。
写真を見ても、銀城はわからない思い出せないと否定する。
続けて千鶴は、銀城は●人衝動が抑えられず普段は小動物を●して気を紛らわせ
抑えられなくなると外に出て、人を●すと言うことだった。
さらに、上代真莉亜の左腕だけ感覚がないのは
銀城瑛翔が上代真莉亜の左腕を食べてしまったからだと言う。
つまり、上代の左腕はすでに銀城の地肉と化しており
取り戻すには銀城を●すしかないと千鶴にそそのかされる。
そして、左腕を取り戻すことで上代は完全な存在に戻り
上代を生き返らせるための『反魂の儀』の実験は完遂される。
と千鶴は続ける。
銀城を●せと促す千鶴だったが、上代真莉亜は●さなかった。
あくまでもここまで一緒にきた仲間。
相手が殺人鬼だからといって●していい道理はない。
千鶴はその答えに叫び声をあげ、電話は切れてしまう。
新しいカードを手に入れた3人は、再び部屋を移動させる。
しかし、入った部屋は最初に上代が訪れたマネキンのある部屋だった。
そしてメモが落ちていることに気づく
『行き詰まってしまった。だが、諦めるにはまだ早い。
考えろ、考えるんだ。カードの記号から考えてみよう。
持っている意味はなんだ?
ーそうか七惑星だ。
『鍵は七惑星にあり。その順序で7つの部屋を訪れよ』と言うことだろうか』
紋章のカードに書かれている記号は資料にもある惑星記号だった。
資料と紋章のカードの惑星記号を手がかりに
七惑星の順番に部屋を移動させると、部屋で何かが落ちる音がした。
そこで見つけたのは新しい天王星の惑星記号が記された紋章のカードだった。
新しい紋章のカードを使い、新しい部屋へと移動した。
廊下に戻ると、すでに2人は廊下で待っていた。
また、廊下に来る際銀城は新たなメモリーカードを入手していた。
八木の部屋へ戻り、メモリーカードを再生すると
再び2人の車内での会話の映像が流れた。
どうやら子供の名前を考えている最中のようだった。
仁美は女の子だったら『灯里(あかり)』にしたいと提案し
純もそれに賛成している様子だった。
この映像と子供に関して八木に質問をするが押し黙ったままだった。
仁美さんもこれに関しては何も話したくない様子だった。
それを見て、上代と銀城は察した。
八木は『生まれるはずの子供がいた』と言うことだけを話した。
そして上代は『子供の名前』について引っかかる。
再び、過去の記憶が蘇る。
自分と蓮司が話している様子、しかし何について話しているのかはっきり思い出せない。
『子供』に『結婚』…
思い出せないが、上代には確かに引っかかるものがあった。
そして、3人は新しい部屋へと進む。
その部屋でも紋章のカードとメモリーカードを手に入れる。
それ以外には何も見つけることはできなかった。
3人は、再びメモリーカードを再生しに八木の部屋へ戻る。
再生された映像はまたドライブレコーダーのものだった。
映像は、八木が急いで山道を車で運転している。
どうやら仁美の容体が悪化し、急いで病院へ向かっているようだった。
しかし、そこへ山道から突然女が目の前に飛び出してきた。
女に対し怒鳴りつける純に
女は『お願いです助けてください』と運転席へと駆け寄る。
しかし、純は仁美のために急いでいたため『他を当たれ』と女を乗せず
車を走らせてしまう。
これはあまりにも乱暴すぎると言う上代に対し
遅れていたら仁美が死んでいたかもしれないと反論する八木。
そして、銀城が話し出す。
『今の人、上代さんなんじゃないの?』
確かに映像の女性の顔と、銀城一緒に写っていた女性の死体の顔は同じだった。
つまり、飛び出してきた女性は上代真莉亜だった。
ここで携帯電話に非通知着信が来る。相手は千鶴だ。
千鶴は、八木純もまた上代を見殺しにした人間の一人だと話し始める。
状況から、上代真莉亜はこの時銀城瑛翔に追われていたのだろう。
八木が上代を載せていれば、吟醸の手にかかることはなかった。
仁美を助けるためとはいえ、八木も同様に人●しだと言う千鶴。
そして、上代真莉亜が話し出す。
『千鶴の目的は私を蘇らせること
私の死に関わった人たちへの復讐』だと。
『人を●した彼らに生きる価値なんてない。
惨たらしくあがきながら、絶望の末に●ねばいい。
上代真莉亜は生きているはずだった人物、生きているべきだった人物』
『生きることを望むべき』と千鶴は続ける。
しかし、上代真莉亜はあくまでも誰も●さない。
この場に●んでいい人間はいない、誰かを苦しめて生きるのはおかしい。
と主張する。
『ならば好きなだけ彷徨いなさい。
存在しない出口を探すがいい。』
とい言い残し、千鶴からの電話は切れた。
そして、上代真莉亜は千鶴の復讐のために集めれた全員を救うため
千鶴に会い説得しに行くことを決意する。
廊下に出ると、またランタンを持った仮面がそこにはいた。
ランタンの仮面は横にあったドアへと入って行く。
以前は開かなかったドアだ。あそこに千鶴へたどり着くためのヒントがあるのかもしれない。
部屋に入ると、ランタンの仮面は部屋に佇み
痙攣しながら奇妙な動作で何かを耐えている様子だった。
ランタンを持ちながら小刻みに震えている。
これまでの仮面とは違い仮面には模様も書かれておらずこちらにも危害は加えてこない。
ただ佇むランタンの仮面の目的は謎だったがとにかく部屋の調査をすることにした。
部屋で見つけた特殊なブラックライトを使って、部屋の謎を解き
新たな海王星の惑星記号の紋章カードを手に入れた。
また、探索の最中ランタンの仮面がビクッと体を震わせたかと思うと
何か小さなものを落とした。それは安産祈願のお守りだった。
それを見た八木は何か思い当たる節があるような難しい顔をしていたが
上代はそれについては詳しく触れなかった。
さらに通路に進むとメモを見つけた
『先生が何の魔術を研究しようとしているのかようやくわかってきた
先生は使者を蘇らせるための方法を研究しているのだ。
『反魂の儀』と呼ばれるそれは、すでに死した先生の妻子の霊魂を呼び起こし
他人の身体にそれを定着させて蘇生を試みるというものだ。
使者を蘇らせるなどというだけでも倫理に反するというのに
赤の他人を犠牲にするなど、実におぞましい。
だが私もすでにこの研究に片足を突っ込んでいる身の上だ、
残念ながら、私も非道の研究を行なっている側の人間だということだ。
たとえ、知らずに集められていたのだとしても
そして、女子供の集団の意味がわかった。
すなわち、先生の妻子を生き返らせるための身体にされるということだ』
これが千鶴の言っていた実験の正体。
反魂の儀は、かつて先生と呼ばれた人間が
自分の妻子を生き返らせるために行なっていた実験で
その実験に失敗し、先生は命を落としこの地は悪霊で溢れかえってしまったのだろう。
そして、さらに奥の部屋へと進む。
そこは薄暗く天井が高い広い部屋だった。
真っ先に目に入るのはたくさんのろうそくに照らされた大きな魔法陣
そして、まっすぐ奥へ続く大きな絨毯。
白い線で引かれた魔法陣にはどこか既視感を覚える。
その魔法陣の四方には花瓶が置かれており、紫色の花が生けられていた。
奥には祭壇があり、両脇には花が添えられその中央には
ホルマリン漬けになった瓶入りの胎児がいた。
ここで、携帯に非通知着信が来る。
『千鶴なの?』上代が問いかける。
『ここまできましたか、本当にご苦労なことです。』
『あなたは一体?』
『ご覧の通り、私は生まれることのなかった命
そこにいる瑛翔に●されたもの
やはり思い出せませんか、まだ完全でないから無理もありません。
私は上代真莉亜、あなたの実の娘です。
もっとも生まれる前に●されてしまったので直接お会いしてことはありませんが』
そして、上代は思い出す。
蓮司と子供の名前について話し、生まれるこの名は千鶴にしようと話していたことを。
『銀城瑛翔は私たちを●し、八木は見●しにした。
彼らはその報いを受ける必要があるのです。』
『今すぐに復讐をやめなさい
こんなことをしても私は喜ばない。』
『私はあなたを喜ばせるためにこの実験をしてるわけではない
私のための実験、誰にも邪魔はさせない。』
『私たちはもう●んでいるのに、これ以上生きている人たちを苦しめてはいけない』
そう促す上代に、千鶴は再び泣き叫ぶ。
同時に部屋全体が大きく揺れ出す。
大きく揺れる部屋の中で、上代は祭壇へと近づき
ホルマリン漬けの胎児に近づき瓶を抱える。
そして、お腹に千鶴を身ごもっていた時にいつも歌っていた
子守唄を歌い出す。
すると、瓶の中の千鶴は消えていった。
いつの間にか鳴き声も止んでしまった。
千鶴が消え、これからのことについて話していると
銀城が突然祭壇にあった花瓶で八木の後頭部を殴る。
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